30代からED気味になる男性は多い
EDとは、勃起不全(erectile dysfunction)の略称で、性行為に必要な十分な勃起が得られない、または維持できない状態のことです。
EDは年齢とともに増加する傾向がありますが、30代からED気味になる男性は多いと言われています。
30代男性が勃起力の衰えを感じ始める理由には、生活習慣の乱れやストレス、心理的な要因などが挙げられます。
これらの要因は、血管や神経の働きに影響を与えて、陰茎への血流や神経伝達を妨げるためです。
また、仕事や家庭の責任感からプレッシャーを感じることも多く、これらの心理的な問題は、EDの原因として現れることがあります。
EDは男性の健康や生活の質に大きく影響する問題ですが、適切な治療や予防策を行えば改善する可能性が高いです。
ED気味な男性は、早めに医師に相談することをおすすめします。
原因を特定し、最適な治療法を選択することが重要です。
EDの原因
EDの原因は多岐にわたりますが大きく分けて心因性EDと器質性EDがあります。
心因性ED
ストレス、不安、抑うつなどの精神的な要因は、30代の男性におけるEDの一般的な原因です。
現代社会の忙しい生活によってストレスが増加することはよくあることで、その結果、性的機能に変化が生じることがあります。
器質性ED
器質性EDは身体的な要因によるもので、血管の問題や神経の損傷が原因です。喫煙や糖尿病、心不全、高血圧などが関係します。
これらの要因は年齢とは無関係に発症することがあります。
混合性ED
心因性EDと器質性EDが組み合わさったEDです。
ライフスタイルとEDのリスク
健康的なライフスタイルを維持することはEDのリスクを減少させるために重要です。
不健康な食事習慣と肥満
高脂肪食、糖分の摂取過多、プロセス食品の過剰摂取など、不健康な食事習慣は肥満だけではなく血管の健康に悪影響を及ぼし、EDのリスクを増加させる要因となります。
米国の研究によると、肥満の人は、普通体型の人に比べると1.7倍EDになりやすいことが報告されています。
健康な生活を送るためにもバランスの取れた食事を意識しましょう。
運動不足がもたらすリスク
運動不足は肥満や血流の悪化につながり、これはEDの原因となります。
適切な運動習慣を維持し、健康な体重を保つことは性的健康に寄与します。
睡眠不足と性機能の変化
忙しい生活スタイルや睡眠不足はストレスやホルモンバランスに影響を与え、性的機能に変化をもたらすことがあります。
十分な質の高い睡眠を確保することは重要です。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させEDのリスクを増大させることがわかっています。海外の研究によると喫煙者は1.51倍EDになりやすいとのこと。
血管の収縮は、血液の流れに制約を加え、勃起不全のリスクを増加させます。
EDの改善方法
EDは原因がさまざまなため、改善方法は多角的なアプローチが求められます。
個別の状況に合わせて医師と相談することが重要です。
薬物療法
ED治療薬(PED5阻害剤薬)は、血管を拡張させ、陰茎の血流を増やすことで勃起をサポートする薬です。
ED治療薬は効果・安全性が高く、ED治療の第一選択肢と推奨されています。
日本国内では「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」の3種類が承認されており、これらの薬物は血流を改善し、勃起を助けます。
それぞれ、効果が現れるまでにかかる時間や持続時間、食事による影響が異なるため、医師の指導のもと選択してください。
生活習慣の見直し
健康的な生活習慣を維持することが重要です。
肥満や動脈硬化、糖尿病などのよくあるEDの原因は、生活習慣が関係しているためです。
適度な運動、バランスの取れた食事、禁煙、過度のアルコール摂取の制限は性的機能の改善に寄与します。
一気に変えようとするとストレスの原因になるため、できることから始めてみましょう。
ストレス管理
ストレスはEDの原因の一つです。リラクセーションテクニック、瞑想、趣味などを通じてストレスを軽減する方法を採用しましょう。
性生活に関係ないストレスもEDの原因になります。
ストレスをこまめに解消するようにしましょう。
心理療法
ED治療薬を服用しても改善が見られない場合、心理療法が有効になるケースがあります。
過去のトラウマや強いストレス、性行為に強い嫌悪感などを取り除くための手段として、カウンセリングを行います。
心理カウンセリングやセックスセラピストのサポートを受けましょう。
ED治療薬で改善しなかった症状が改善することもあるのです。
パートナーが起因となるEDの場合、カップルでカウンセリングを受けることをおすすめします。
これらの方法は一般的なガイドラインです。EDの改善には個別の要因や状況に応じたアプローチが必要です。
最適な方法を見つけるために、専門の医師と相談しましょう。
ED治療薬について
日本国内で安心して使用できるED治療薬は厚生労働省より承認を得ているシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3種類です。
いずれも先発品の発売から特許が満了を迎え、国内の製薬会社からジェネリック医薬品も販売されています。
シルデナフィル(バイアグラ)
バイアグラはシルデナフィルという成分を含む薬で、最も有名なED治療薬です。
シルデナフィルは血管を拡張させ、血流を増加させ、勃起を助けます。通常、性行為の30分から1時間前に服用します。
バルデナフィル(レビトラ)
日本ではバイアグラに次ぐ2004年に発売開始されたED治療薬です。
レビトラはバルデナフィルという成分を含む薬で、バイアグラと同様に血管を拡張し、勃起を改善します。
即効性があり、食事の影響を受けにくく、しっかり効くため人気のある治療薬です。
通常、性行為の約25〜60分前に服用します。
タダラフィル(シアリス)
日本では3番目に登場したED治療薬で、世界市場でもシェア1位を誇ります。
シアリスはタダラフィルという成分を含む薬で、長時間効果が持続することが特徴です。
最大で36時間の効果があり、性行為の前に服用します。
ED治療薬服用の注意点
ED治療薬の効果を最大限に活かすためには以下の注意点を守ることが大切です。
空腹時に服用すること
バイアグラの場合、高脂質の食事後に服用すると吸収が遅れたり、効果自体が半減したりするため、できるだけ空腹時に服用するようにしましょう。
食事前に服用してから薬の成分を吸収させしてしまえば効果を引き出せます。
アルコールの飲みすぎに注意
過度な飲酒はアルコールの影響で脳からの伝達が悪くなり、勃起しづらくなり射精ができなかったりと逆効果です。
また、お酒の弱い方が併用すると一気にお酒が回り、性行為どころではなくなってしまうでしょう。
お酒の弱い方はお酒との併用は避けたほうが無難です。
ED治療薬の副作用について
ED治療薬は心臓病の治療薬として開発された薬です。
そのため、血管を拡げて血液に流れをよくする作用のある薬のため、以下のような副作用があります。
・頭痛: ED治療薬の多くには頭痛が報告されています。これは血管を拡張させる作用に関連していることがあります。
・消化器系の不調: 吐き気や消化不良の症状が現れることがあります。
・ほてりやほてり感: 顔のほてりやほてり感が現れることがあります。
これらの副作用は一般的に軽度で一過性であり、多くの場合、治療を継続することができます。
心臓への負担についても問題ありません。
ただし、重篤な副作用が発生することもまれにあり、医師の指導に従い、正確な用法と投与量を守るようにしましょう。
また、誤解としてよくあるのが依存性ですが、脳に働く薬ではないので、薬を飲まないといられないなどの身体性依存性はありません。
薬が効いている間も性的刺激がなければ普段通りです。
ED治療薬の購入方法
ED治療薬は処方箋医薬品のため、医師による診察が必要です。
そのため、薬局やドラッグストアでは市販されていません。
インターネットや通販で購入できるED治療薬は、日本国内の安全基準を満たしていないため、安全性が懸念されます。
必ずクリニックを受診してから医師による処方を受けるようにしましょう。
なお、ED治療薬は保険適用外のため自費でしたが、2022年4月から不妊治療の目的に限りバイアグラ錠、バイアグラODフィルム、シアリス錠の処方に保険適用されるようになりました。
EDを放置するとどうなる?
いくつかの健康的なリスクが生じる可能性があります。以下は、放置した場合の一般的な影響です。
基礎疾患の発見
EDは時折、基礎となる疾患(糖尿病、循環系疾患など)の兆候であることがあります。
EDを放置すると、これらの疾患が進行する可能性があります。
関係の悪化
EDの問題が長期間続くと、性的パートナーや配偶者との関係にストレスや緊張が生じる可能性があり、関係が悪化することがあります。
心理的影響
EDは自尊心や自己価値感に影響を与えることがあり、うつ病や不安障害などの心理的な問題のリスクを増加させることがあります。
低自己評価
EDは男性の自己評価に影響を及ぼし、自己効力感の低下をもたらすことがあります。
治療が難しくなる
時間が経つにつれて、EDの治療が難しくなる可能性があります。早期のアプローチが治療効果を高めます。
EDは改善できる
30代で身体的に健康であればED治療薬や心理カウンセリングなどによってEDを改善できる可能性は高いです。
糖尿病や高血圧など基礎疾患が原因のEDの場合、適切な治療と生活習慣の改善によってEDの進行を遅らせることもできます。
EDの原因を見極め、適切に治療していくことが大切です。